弓道初心者のうちは弓道用語を言われても「なんのこっちゃ」だと思う。
特に教本はかなり昔に書かれたものなので専門用語が多い。
そして弓道の段位審査では筆記試験があるが、これは教本に沿って答えることが望ましいこともあり、弓道用語を知ってることは前提条件になっている。
つまり、弓道やるならある程度の弓道用語は覚えておくべきだ。
というわけで今回の記事では弓道の専門用語を初心者向けに解説する。
目次(クリックで飛びます。)
弓道の基本用語
中る
弓道では矢を引いて的に当たることを「当たる」ではなく、「中る」と書く。
射
弓を引く行為そのものを射と呼ぶ。
「あれはいい射だった」「あれは悪い射だった」「あなたのさっきの射は素晴らしいですね」などと使う。
射手
弓を引く人のことを射手と呼ぶ。
射形
弓を引く一通りの体の動きや姿勢のことを射形と呼ぶ。
「あの人は射手だった」「あれは悪い射だった」「あなたのさっきの射は素晴らしいですね」などと使う。
行射
弓を引く一通りの体の動きや姿勢のことを射形と呼ぶ。
「あの人は射形がきれい」とか「射形がきれいなのに中らない」などと使う。
射癖
弓道の引き方における癖のことを射癖と呼ぶ。
基本的に射癖は悪いものとされる。
射法八節
弓を引く動作の一覧の流れのことを射法八節と呼ぶ。
射法八節は~からなる。
引く、射る
弓で矢を発射することを引く、または射ると表現する。
弓を打つと呼ぶと偉い人に怒られる。
つがえる
矢を弓にセットすることをつがえると呼ぶ。
取り懸け
弦に妻手を引っ掛け、弓を引く準備をする動作のことを取り懸けと呼ぶ。
弓手(押手、先手)
弓道では弓を持つ方の手(左手)のことを弓手、または押手、または先手と呼ぶ。
妻手(馬手、勝手)
弓道では弓を引く方の手(右手)のことを妻手、または馬手、または勝手と呼ぶ。
立射
立って弓を引く。
弓道の試合は基本立射で1回4本ずつ引くのが普通。
坐射
まず座って弓に矢をつがえ、自分の順番がきたら立ち上がって引く。
弓道の段位審査は坐射で矢を2本ずつ引く。
介添え
競技や審査において、射手をサポートする役割のこと。
主に替え弦(予備の弦)を持っておき、競技中に選手の弦が切れたときに弓に弦を張り直す。
弦音
離れで矢を発射したときに弦から鳴る音のことを弦音と呼ぶ。
素引き
矢をつがえず、かけも着けずに素手で弓を引くことを素引きと呼ぶ。素引きで離すと危険なので注意。
徒手練習
弓も矢も持たずに弓を引く動作をすることを徒手練習と呼ぶ。
看取り稽古
道場内の上手い人の射を観察する稽古のことを看取り稽古と呼ぶ。昔から武道では技術は見て学ぶものと考えられてきた。
今の弓道部でも初心者は最初に看取り稽古をする。
安土
弓道の的をかける場所は柔らかめの土で固めてあり、これを安土と呼ぶ。昔から武道では技術は見て学ぶものと考えられてきた。
今の弓道部でも初心者は最初に看取り稽古をする。
大前(おおまえ)
グループで弓を引くときの先頭の射手のことを大前と呼ぶ。
落ち
グループで弓を引くときの一番最後の射手のことを落ちと呼ぶ。
中(なか)
グループで弓を引くときの真ん中の射手のことを中と呼ぶ。
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中りに関する用語
羽分け(はわけ)
引いた本数の半分が中ることを羽分けと呼ぶ。
「羽分け行かなかった」「羽分け行った」などと使う。
皆中(かいちゅう)
4本中4本中ることを皆中と呼ぶ。皆中すると4本目が中ったときに周りの人は拍手する。4本じゃなくても引いた矢すべてが中れば皆中。
残念
引いた矢すべてが外れることを残念と呼ぶ。
片矢
2本引いて1本だけ中ることを片矢と呼ぶ。
矢弓関係の用語
甲矢
矢を2本持つときの1本目の矢のことを甲矢と呼ぶ。
乙矢
矢を2本持つときの2本目の矢のことを乙矢と呼ぶ。
矢尻
矢の金属がついた方の先端のことを矢尻と呼ぶ。
矢筈
矢の羽がついた先端のことを矢筈と呼ぶ。
上弭(うわはず)
弓の上端の弦を引っかける部分のことを上弭、または末弭と呼ぶ。
下弭(しもはず)
弓の下端の弦を引っかける部分のことを下弭、または本弭と呼ぶ。
矢道
道場から的までの矢の通り道のことを矢道と呼ぶ。
矢取り
的に刺さった矢や安土に刺さった矢を引き抜く作業のことを矢取り呼ぶ。
掃き矢
矢が安土に刺さらず、地面に落ちること。
初心者のうちは掃き矢が多くなる。
前矢
矢が的の前(右側)に飛ぶこと。
弓の構造上初心者が弓を引くと前矢になりやすい。
矢所
弓を引いていて矢が的に集中して刺さる場所のことを矢所と呼ぶ。
「矢所がバラバラ」「矢所が前ばっか」などと使う。
矢こぼれ
弓を引いてる最中に矢の先端(的側)が弓手から落ちること。
矢こぼれしたときは顎を使って矢を弓手に乗せ直さなければならない。
筈こぼれ
弓を引いてる最中に矢が弦から外れてしまうことを筈こぼれと呼ぶ。筈こぼれした場合はその矢は無効となる。
弓道の技術に関する用語
手の内
弓道で弓の握りのことを手の内と呼ぶ。
手の内は弓道でもっとも重要な技術であり、もっとも習得難易度の高い技術と考える人も多い。
角見
弓道で手の内の中での親指の付け根のことを角見と呼ぶ。
親指の付け根で弓を押すことを角見を利かせる、と表現する。
弓の構造上角見が弱いと前矢になる。
口割り
弓を引いたときに矢の平行線が唇の位置にあることを口割りと呼ぶ。
目割り
弓を引いたときに矢の平行線が目の位置にあることを目割りと呼ぶ。
頬付け
弓を引いてるときに弦が頬に付くことを頬付けと呼ぶ。
胸付け
弓を引いてるときに弦が胸に付くことを胸付けと呼ぶ。
物見
弓を引いてるときに的に目を向けることを物見と呼ぶ。
三重十文字
上から見たときに足腰肩の線が1枚になることを三重十文字と呼ぶ。
五重十文字
弓と矢、弓と弓手の手の内、妻手の親指と弦、胸の中筋と両肩を結ぶ線、首筋と矢の5つの線のことを五重十文字と呼ぶ。
押し
弓を引くときに弓手で弓を押すように力を入れることを押しと呼ぶ。弓道では妻手(右手)で弦を引っぱるよりも弓手(左手)で弓を押すことの方が大事で、よく先生が「押しが弱い」などと注意する。
ベタ押し
弓手で弓を押すときに手の内が絞まらず、手のひら全体で弓を押すこと。
弓返り
弓道で離れの瞬間に弓が返る(回転する)ことを弓返りと呼ぶ。
初心者は普通弓返りしないが、手の内がある程度習熟すると弓返りするようになる。
打ち切り
弓返りしないことを打ち切りと呼ぶ。
早気
弓道において会を保てなくなる癖のことを早気と呼ぶ。
持たれ
弓道において会を保った状態でなかなか離せなくなる癖のことを持たれと呼ぶ。
詰め合い
会のときに肩関節や肩甲骨など締めるべきところを締めることを詰め合いと呼ぶ。
伸び合い
会で詰め合いの状態から縦線と横線に見た目上は動いてないけど内面的に伸びることを伸び合いと呼ぶ。