弓道に猿腕は有利という意見と不利という意見が混在する。
しかしそもそも猿腕の人は教科書通りに弓を引けない。
まず猿腕の人は猿腕用の弓の引き方を覚えないと腕を払いやすい。
私も猿腕だが、矯正してやっと腕を払わなくなり、まともに弓を引けるようになった。
今回は猿腕が弓道で有利か不利か、また猿腕の矯正方法について解説する。
弓道で猿腕は有利か不利か?
まず自分が猿腕かどうかわからない人のために図で説明するとこんな感じ。
腕を伸ばした状態で肘を固定して手のひらを180℃回転できる。
これが猿腕だ。
もしくは両腕を手のひらを上にして前に伸ばしたときに肘から小指までぴったりくっつけることができるかどうかを見るのもわかりやすい。
猿腕の問題点
- 腕を払いやすい
- 弓に弓手の押しが伝わりにくい
猿腕の人がまず直面するのが離れで弦が腕を払うこと。
これが結構痛い。
ひどい人だと皮膚が裂けて血が出たり、ミミズ腫れになってしまう。
これで弓道をやめてしまう猿腕の人もいる。
また、腕がまっすぐじゃないため、普通に弓を引くと弓手の押しが弓に伝わらない。
そのため、うまく力を伝えられず、矢が的に届かずに矢所が下になったり、掃き矢になりやすい。
以上のことから猿腕の人が普通に弓を引く分には弓道に不利と言える。
猿腕は矯正すれば有利
しかし猿腕は矯正できる。
猿腕を矯正すると、普通の人よりも矢束が長くなりやすく、矢勢が出るため、弓道に有利とも言える。
ただし猿腕にも種類があり、すべての猿腕が矯正すれば弓道で有利とは言えない。
が、基本的に弓を引く形で腕を伸ばしたときに肘から先が上腕より上に曲がるタイプの猿腕は有利と言われている。
また、猿腕は矯正しなければまっすぐ押せないので不利なだけだ。
猿腕でもまっすぐ押すための矯正方法を覚えて初めて弓道に有利となる。
猿腕の人の弓の引き方
猿腕の人は、弓の引き方を工夫する必要がある。
要は猿腕をまっすぐ押せるように矯正して引くことになる。
猿腕の矯正の仕方
左手で手の内と同じように虎口(親指と人差し指の間)が平行になるようにして壁に手を付け、壁を肩根から押して一番押しやすい腕の形を確かめる。
このときの腕の形の通りに弓を引けば一番強く弓を押せる、というわけだ。
猿腕の矯正方法にはいろいろあるが、これが誰でもできる一番簡単な方法だと思う。
一般的には猿腕を矯正するには腕を回内させるか回外させるかして、肘をまっすぐな状態にするのがいいとされる。
回内回外とは?
肘を時計回りに回すことを回内、肘を反時計回りに回すことを回外という。
肘の内側が上を向く猿腕の人は回内によって肘をまっすぐにし、肘の内側が下を向く猿腕(逆猿腕)の人は回外によって肘をまっすぐにするのが一般的な矯正方法。
写真の様に肘の向きを変える。
私の場合、普通に引くと肘の内側が真上を向いてしまう猿腕なので、腕を回内させて肘の内側が正面を向くようにしたときが一番よく弓を押せる。
が、一番いいのはやはり左腕で壁を虎口を上にして押してみて、一番強く押せる腕の形がベスト。
それがその人の腕の骨格にとって一番合った引き方だと思う。
壁に手を押し付けた状態で腕を回内したり回外させたりしながら、一番強く押せる腕の形を探ればいい。
また腕を回内回外させるタイミングだが、これも同じ猿腕でも骨格によって個人差が出る。
私の場合、大三では回内させず、大三から引き分けにかけて徐々に回内をかけていき、会まできたときに肘がまっすぐになるようにしてる。
タイミングは誰もがこうすればいいというものではないので、自分で試行錯誤しながら自分に一番合ったタイミングを見つけるべきだ。
まとめ
- 猿腕はそのままだと弓道に不利。矯正して初めて弓道に有利になる
- 猿腕の人は腕を回内回外させて猿腕を矯正して弓を引くことで、上手く押せるポイントを見つけることが大事
- そのポイントは同じ猿腕でも人によって違うため、自分で壁を押すなどして見つける