弓道の用具に関する疑問でグラス・カーボン弓の弦を外して帰るか、張りっぱなしで帰るか、というのがある。
竹弓の場合は外すのが常識であり、外さずに付けっぱなしにしておくと弓が傷んでしまう。
しかしグラス・カーボン弓などの合成弓の場合、張りっぱなしでも問題ないという意見と張りっぱなしにすると劣化する、という意見が混在する。
実際どちらが正しいのか検討したい。
目次(クリックで飛びます。)
弦を張ったままか毎日外すかのメリットデメリット
弦を張ったままにするメリット
- 手入れが楽
- 準備時間が短縮できる
弦を張ったままにするデメリット
- 弦が傷んで上がりやすくなる
- 長い目で見ると弓力が少し落ちる(と言われている)
弦を毎日外すメリット
- 弦が長持ちする
弦を毎日外すデメリット
- 手間がかかる
- 弦のつけ外し時に弓を傷めやすい
弦を頻繁につけ外しするのも弓に悪い
弦をつけ外しするときは弓を押し、少し変形させる必要がある。
変形するということはその瞬間、それなりに弓に負担がかかるということ。
つまり、弦の張りっぱなしも弓に負担をかけるけど、弦を毎日つけ外すのも下手すればそれ以上の負担をかけることになる。
もちろん弦の張り方の上手い下手にもよるけど。
で、グラス・カーボン弓の場合、竹弓と比べて張りっぱなしによる弓力の落ちはほとんどないと言われている。
なので下手に毎日弦をつけ外しするよりも張りっぱなしの方が弓に負担をかけない、という考え方もある。
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学生の部活では外す部と張りっぱなしの部が混在する
部によっては「絶対に弦を張ったままにして帰るな」と指導する。
もし張りっぱなしで帰ったら30分正座という罰ゲームがある学校も・・・。
また弓のためというよりも使ったものは片付けるというマナー的な意味で外すよう指導している学校もあるそうだ。
しかし私の高校ではそんなこと言われたことはなく、ずっと張りっぱなしで使っていたが、それで特に問題なかった。
だから私が弦をつけ外しするのは弦が切れたときと大会などで弓を持ち運ぶときくらいだ。
ぶっちゃけ弓歴の浅い学生が毎日弓を張り替えたら確実に弓に負担をかけると思うし、グラス・カーボン弓なら張りっぱなしの方がまだマシなんじゃないだろうか。
弓具メーカーは弦を毎日つけ外すことを推奨している
大手弓具メーカーは基本的に弦は毎日つけ外すことを推奨している。
ただ弓具店は店舗にたくさん並べている弓の弦を基本張りっぱなしにしている。お客さんがいつでも素引きできるようにするためだ。
たまに外してローテーションするなどして弓を休ませたりはしてるかもしれないが、大量の弓の弦を毎日外すことはまずないだろうし、付けっぱなしでもある程度大丈夫と考えていいと思う。
また、猪飼弓具店のように張りっぱなしを推奨しているメーカーもある。
@Fng7crT たしかに、張りっぱなしだと弓力が落ちると言われていますが、グラス・カーボン弓はほとんど落ちないので張りっぱなしです。
ただ、竹弓は弓力が落ちるのと裏反りがなくなるので、たまに弦を外しています。— 猪飼弓具店【公式】 (@ikaikyugu) 2014年9月24日
外さずに長年使って問題ない人も多い
まず私自身弓道部で元々学校に張りっぱなしで置いてあったグラス弓を、ほぼ張りっぱなしのまま3年間使い続けたが特に問題なかった。
ネットでも張りっぱなしは弓力が落ちるとか、弓が劣化すると言ってる人が多いが、証拠を持って言ってる人は少なく、ほとんどの人が竹弓のイメージだけでそう言ってる。
実際、グラス弓やカーボン弓を5年とか10年とか、長期間張りっぱなしで使い続けても問題なかったと言ってる人も多い。
やはりグラス弓やカーボン弓は張りっぱなしでも弓への負担は軽く、そんなに影響があるわけではないということだろう。
まとめ
以上まとめると、グラス・カーボン弓は弦を張りっぱなしにしていてもそんなに弓が劣化することはなく、使い続けることができる。
竹弓の張りっぱなしがダメなためか、弓具メーカーや学校の先生、古い弓道家は口を揃えて張りっぱなしは弓に悪い、劣化すると言ってるが、実際そんなことはない。
逆に毎日弦をつけ外しすることで弓を傷めてしまう可能性もあるので、個人的にはむしろ張りっぱなしの方がいいと思う。