弓道の審査の筆記試験の問題で非常に出題頻度の高い問題に
「射法八節を順に列記し、簡単に説明しなさい」というのがある。
この問題に対する解答の仕方には主に2つの方法がある。
- 教本を丸暗記、もしくはアレンジしたものを暗記して覚える
- 指導者から教わったことをそのまま書く
弓道をちゃんとした講師の方に教わってる場合、2の教わったことをそのまま書く方法でも合格点がもらえると思う。
しかし初心者で教わったことをうまく言葉で表現できない場合、1の方法をとる必要がある。
教本を丸暗記するのも一つの手だが、これだと「簡単に説明しなさい」の部分が簡単でなくなってしまうため、あまりいい解答とはいえない。
その場合、教本をアレンジしたもの、もしくは他人の模範解答をアレンジすればいいが、面倒だろう。
そこで今回は私が特別に模範解答を考えてみたので紹介する。
ちなみに射法八節は弓道における弓の引き方(射術)の基本となるものなので審査に受かるためだけに覚えるのではなく、自分の技術上達のためにもよく理解しておくことが大切だ。
理想は自分の言葉で説明できることだが、時間のない人だけこの模範解答を参考にしてほしい。
的中率9割目指したい人へ
目次(クリックで飛びます。)
「射法八節を順に列記し、簡単に説明しなさい」に対する模範解答例
射法八節を順に列記
射法八節は足踏み、胴造り、弓構え、打起こし、引分け、会、離れ、残心からなります。
射法八節の簡単な説明の模範解答
足踏み
足踏みは弓を射るための準備動作で、弓に矢を取りかける動作のこと。
的を見たまま、まず左足を的に向かって半歩踏み開き、次に芽を下に移して右足をいったん左足に引き付けてから反対に半歩踏み開く。
足は外八文字(自分から見て扇状)に開き、両足の開く角度は60℃程度、開き幅は自分の矢束程度の長さを基準とする。
また両足の足先は的の中心と一直線になるように合わせる。
胴造り(どうづくり)
胴造りは弓を射る土台となると胴体を安定させるための腰の構え方のこと。
足踏みを基礎として背筋うなじを上方にまっすぐ伸ばし、重心を体の中心に置いて安定させる。
この際弓の本弭は股間に入れずに左膝頭におき、右手は右腰にあたりに置く。
弓構え(ゆがまえ)
弓構えは弓を射るための準備動作で、弓に矢を取りかける動作のこと。
まず弦を下に返して弓を体の正面に立てる。
次に右手親指の腹にある弦枕に弦を当てて取りかけた後、両肘を軽く張り、両腕前腕の下筋を張る。
取りかけを行ったら手の内を整え、その後的に顔を向ける。
打起こし(うちおこし)
打起こしではいよいよ弓を引くための動作に移る。
弓構えの位置から肩の位置を固定したまま弓を遠くにすくい上げるような気持ちで静かに持ち上げる。
両拳の高さは額よりやや上で、腕と地面が45℃くらいの角度にし、矢は地面と平行を保つ。
引分け(ひきわけ)
引分けは弓を左右均等に引き分ける動作のこと。
まず弓の三分の一ほど押し開く。
この動作を大三(押大目引三分一)といい、大三では左肘から先を的方向にほぼ平行に、左肘が伸びきる少し手前くらいに移動し、右手は矢の平行を保ちつつ弦に引かれるだけ。
大三で一拍置いてから左右均等に口割りまで引き分け、胸弦をとる。
会
会は引き分けが完成し、弓を矢尺分引ききった状態のこと。
会で的に狙いが定まり、そこから気力を充実させながら天地左右に伸び合い、お腹の力が満ちて発射のタイミングが熟すまで力を継続して縦横十文字に伸び合いを続ける。
離れ
離れは会で伸び合った状態から矢が放たれること。
会で心身が充実し、丹田に力が満ちたタイミングで自然に離れが生じるのが望ましい。
会の良し悪しが離れに影響するが、天地左右に正しく伸び合った状態で離れれば、自然と右手左手の両拳が矢筋方向に離れる。
残身(心)
残心は離れの後の姿勢のこと。
離れた後にすぐに姿勢を崩さずに数秒間停止することにより、矢処、姿勢の崩れ等を見ることで自分の射癖を分析する。
数秒離れの姿勢をキープしてから弓倒しし、物見を戻して正面を向き、最後に足を閉じる。
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まとめ
以上が射法八節の簡単な説明だ。
これらの一連の動作の流れは終始関連し合ってるので各動作と動作の間は分断・断絶してはいけない。
八節の各節すべての動きをスムーズに連動させて初めてきれいな射ができる。
つまり、射術の法則でもある射法八節の各動作を極めることが弓道の修練の基本となる。
ただし、ここに書いたのはあくまで簡単な説明なので、より射術を上達させるために射法八節を極めたい意識の高い人は教本を熟読してさらに理解を深めることをオススメする。
ここに書いた「射法八節を順に列記し、簡単に説明しなさい」の模範解答はそのまま丸暗記でもいけるし、多少自分の言葉に直してから暗記すればなおいいと思う。
射法八節以外の筆記問題についてはこちらの記事を参照してほしい。
また弓道の審査で重要なのは筆記より実技だ。
実技の対策についてはこちらの記事をどうぞ。
また審査の概要についてはこちらの記事をどうぞ。
弓道の審査の費用の仕組み 段位別審査費用一覧表や申込み期限について
ぶっちゃけ筆記はちょこっと暗記してさっさと終わらせ、実技で最高のパフォーマンスを発揮することに集中した方がいい。
このページが筆記試験のための暗記時間を短縮する助けになれば幸いだ。