弓道にスランプはつきものだ。
特に高校生や大学生は3~4年の間に誰でも一度くらいは経験すると思う。
スランプ陥ると周りが上達していく中、自分だけ全然中らないため焦る。
特に学生なら中らないと劣等感を強く感じてしまいやすい。
しかし弓道のスランプから脱出するのに焦りは禁物。
この記事では、何が原因でスランプになったのか追求し、悪い癖を直してスランプから脱出する方法をお伝えする。
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目次(クリックで飛びます。)
弓道でスランプになる原因
弓道でスランプになる原因は主に以下の2つのどちらかだ。
- 中りへの固執
- 何かを直せば何かがダメになるループ
1. 中りへの固執
弓道を始めてから1~3年の人がもっとも陥りやすいのが中りへの執着から射形が崩れていくパターン。
弓って中ると気持ちいいものだ。
だからつい中てたくなってしまう。
その結果、最初の素引きやゴム弓、巻き藁などで身に付けた正しい引き方からだんだんとズレていく。
そのズレが小さいうちはまだ中るんだけど、ズレが大きくなっていくと途端に中らなくなる。
こうなってしまうと全然中らなくなる。
なんとかして中りを取り戻そうとしてどんどんどんどん射形が崩れていってしまう。
弓道やってる人ならこの時期を一度は経験してる人が多いと思うが、解決方法は中りへの固執をやめることだ。
2. 何かを直せば何かがダメになるループ
次に弓道でスランプになる原因である、何かを直せば何かがダメになるループについて説明しよう。
弓道には足踏み、胴造り、大三、引き分け、会、離れという動作に加え、手の内の握り方、妻手の捻り方、弓手の押し方、会での伸び合いなどたくさんの外的内的動作がある。
そしてこれらの動作はすべてつながっている。
だからどれかを直すと別のどこかがダメになってしまうことが非常に多い。
たとえば妻手の捻りを直したら弓手の押しが悪くなるなど。
だからスランプ中は冷静にならなければならない。
「これが悪いかもしれない」と思っても安易な気持ちでそれを直そうとすると別のもっと重要な部分がダメになって余計に中らなくなる可能性があるのだ。
「本当に悪い部分はどこなのか?」を客観的に分析した上で直した方がいい。
ただ最終的に正しい射を目指すのであれば悪いところは全部改善する必要がある。
たとえそれで一時的に悪いループにハマってスランプ期間が伸びてしまっても、そこから抜け出したときに確実にレベルアップしていればそれでいい。
ただスランプ中に悪い癖を直そうとするときは何かを直せば別のどこかが悪くなるリスクがあることを知った上で直そう。
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弓道でスランプ中にすべきこと
では次に弓道でスランプに陥ったときにすべきことについて解説する。
練習量は減らすべき
スランプのときに一番やってはいけないけどやりがちなことが
がむしゃら引きまくること
気持ちはわかる。
私自身、高校時代はやってしまった。
弓道で弓を引きまくることはその射を体に定着させることになる。
調子が悪いスランプのときの射を体に定着させればどうなるかは想像つくよな?
悪い射が定着してしまう。
もともと中ってた人が急に中らなくなると焦って練習量増やしがちだけどそれは逆効果。
それに練習のしすぎによる疲労は体の動きを鈍くするからそれ自体も射を崩す原因になりうる。
スランプのときは練習量はあえて減らしてひとつひとつの射を丁寧に引きながらどこが悪いのか冷静に分析するべきだ。
そしてどこを直すためにどういう練習をしているのかをきちんと理解した上で意識して練習する。
スランプ中は体ではなく頭をフルに使い、自分を客観的に分析しながら質の高い練習をすることが重要だ。
的中は無視する
スランプ陥って中らないときは無理やり中てようとすれば射が崩れる。
スランプ中はたくさん引けば引くほど
「なんでこんなに練習してるのに中らないんだ・・・。」
と自己嫌悪になり、余計なことをしてしまい、余計に焦りがち。
それよりさらに射形が崩れて悪循環にハマってしまう。
だからいったん的中を度外視した練習をするといい。
具体的にいうと的前で引かずに巻き藁や素引きをやる。
しばらく的前に立たずに練習し、的に中てることを考えなくていい状況を作るといい。
そしてその間はただひたすら射形をよくすることだけ考えるようにすればいい。中りを求めて崩れた射形を少しずつ直していこう。
自分の射の動画を撮って分析、または人に見てもらう
射形を良くしようと思って練習する場合、普通は自分で自分が弓を引いてる姿をイメージしながら直すと思う。
でも自分のイメージと実際の動きが完璧にマッチすることはなかなかない。
普通は多少のズレが発生する。
だから誰かに頼んでスマホで動画を撮ってもらう。
もしくは直接射を見てもらって悪いところを指摘してもらう。
悪い癖を直すにはこのようにして、自分の射を客観的に見るのが一番手っ取り早い。
原因さえわかればあとは直すだけだから。
原因がわからないときは足踏みから順に一つ一つの動作を確認する
人にアドバイスを求められないケースもあると思う。
またはアドバイスをもらっても結局原因がわからないケース。
そういう場合でも射癖を直す方法はある。
それは足踏みから順にすべての動作を基礎からやり直すことだ。
弓道の動作はすべて射法八節でつながっている。
だからどこかの動作が悪ければその動作そのものが悪い場合もあれば、その手前の動作が悪いケースもある。
つまり
会が悪いと思ってたら実は大三の取り方が問題だった
引き分けが悪いと思ってたら実は足踏みに原因があった
こういうことはざらにある。
でも足踏みから離れまで一つ一つの動作すべてが全部きちんとできてさえいれば正しい射ができ、的に中るはずだ。
一度初心に帰って、足踏みから順にすべての動作を教本の通りにできているか確認しながらやってみよう。
射法八節は初心者のときは教わるがままに覚えたと思うが、自分で一から学び直すつもりでやると一気に射形がよくなる人も多い。
本当に深刻なスランプに陥ったときはこれをやるのが遠回りに見えて一番効率がいいと思う。
まとめ
正直スランプからの脱出方法は千差万別、人によってやり方が違う。
だから無理にここに書いてあることを実行する必要はない。
ただスランプ中に絶対にやってはいけないことである
- 練習量を増やすこと
- 的中に固執すること
は共通だと思うので気を付けよう。
それ以外のことについては人それぞれやり方があると思うので自分に合ったやり方を見つけてほしい。
一般に、スランプから脱出するとスランプ前よりも射形がよくなり、的中率もアップする人が多い。
なので今スランプに陥ってることは成長のために必要なことなんだととらえてあまり深刻にならずに脱出を試みればいいと思う。