大学の部活、弓道とアーチェリーどっちにしよう。
これ結構悩みどころだと思う。
どちらも弓矢で的を射抜く競技であることには変わりないけど、どっちが面白いのか?
射撃ゲームとしての面白さ、やりがい、かっこよさなどを比較してみようと思う。
目次(クリックで飛びます。)
射撃ゲームとしての面白さ:圧倒的にアーチェリー > 弓道
弓道とアーチェリーを射撃ゲームという面で見たら圧倒的にアーチェリーの方が面白い。
なぜなら
アーチェリーは中るのは当たり前。どれだけ的の中心に近い場所に中るかを点数制で競う競技。
また弓道は近的(的まで28m)か遠的(的まで60m)の2種類しかない(実質近的の1種類)のに対し、アーチェリーは的まで30m、50m、70m、90mと1試合で複数の距離でのゲームを一度に行う。
だからアーチェリーでは近距離は得意だけど遠距離は苦手な選手がいたり、近距離は苦手だけど遠距離に強い人がいたり。
近距離を極めたり、遠距離を極めたりするのも面白いと思うけど、そういういろんなやり方ができること自体、弓道と比べてゲーム性が高くなっている。
対して弓道はただ的に中るか中らないかを競うだけなので射撃ゲームとしては非常に原始的であり、あまり面白くない。
また引く本数も弓道の公式試合は8本引いて何本中るか。
アーチェリーは距離を変えてそれぞれ36本、合計144本引く。
この時点でアーチェリーの方が断然面白いことは容易に想像がつくだろう。
ちなみに弓道は命中精度がアーチェリーと比べて圧倒的に低いのでアーチェリーのように点数制にするわけにはいかないのが現実だ。
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やりがい:弓道 = アーチェリー
アーチェリーはいかに的の中心付近に中てるかを追求するスポーツだ。
練習を積むうちに命中精度が上がっていけばやりがいを感じられると思う。
競技も距離ごとに36本で合計144本も引いた点数を競うものであるため、日々の練習で目標をもってこの点数を上げていく楽しみがある。
対して弓道は中るか中らないかを競う。
この時点では弓道って何が面白いんだろう、と疑問を持つ人がいてもおかしくないと思う。
しかし実は弓道では、中てることを考えて弓を引くのはタブーとされる。
なぜなら弓道では、正しい引き方ができれば自然と中るものと考えられているからだ。
といってもそう簡単には中らない。
弓道の弓は上下非対称であり、かつ矢を弓の右側につがえ、弦を耳の後ろまで引き、弦が弓の右を通るようになっているという構造上、そもそも矢をまっすぐ飛ばすことが難しい。
だから正しい引き方で弓を引く技術に習熟しなければなかなか的に中らない。
正しくない引き方でも中ることはあるが、正しい引き方に比べると難しい場合が多いし、弓道やってる多くの人は悪い引き方で中てるのは邪道と考えている。
また、ただでさえ中てることが難しい弓道では中らなくても型がきれいならそれでいい、という風潮もある。
というのも型さえきれいならいずれ中るようになるだろうと考えられているからだ。
それに弓道は矢を的に中てる、という目的以外にも精神修養の意味で取り組んでる人も多い。
弓道のことを立禅(立ってやる禅)と呼んでる人もいるくらいだ。
確かに弓道にそういう面があるのは事実だが、実際上手く引けても的に中らないと楽しくはない。
最高に正しく引けて、かつ的の中心付近に中ったときは最高に気持ちよく、弓道やっててよかった、と思える。
私は弓道部だったとき、何度か弓道でこのゾーンに入るような体験をしたが、弓道のゾーンは他のスポーツのゾーンとは比較にならないぐらい気持ちいいものだった。
だがそれだけで弓道がアーチェリーよりやりがいがある、というわけでもないと思う。
どちらもものすごい集中力を必要とする競技だからゾーンに入れたら気持ちいいことには変わりないだろうし。
ただアーチェリーは的中精度を上げなければいけない以上、弓をいかにきれいに引くかは求められてない。
的の中心に中てることを考えなくていい弓道の方が邪念が少ない分こういうゾーンには入りやすいんじゃないかと思う。
したがって、ひたすら命中精度を上げることが楽しければアーチェリーが向いてるだろうし、ひたすら美しい型で引くことを目指すのが楽しければ弓道が向いてるだろう。
見た目のかっこよさ:弓道 > アーチェリー
見た目のかっこよさについては多くの人が弓道を選ぶと思う。
まず弓が違う。
- 弓道の弓は上下非対称。上が長く、下が短い。
- アーチェリーの弓は上下対称。
これだけでも弓道の方がかっこよく見える要因だが、他にも袴を着ていること、アーチェリーが顎までしか引かないのに対し、弓道は耳の後ろまで引くことから、弓を引ききった姿が非常に美しいのもある。
ただかっこよさは人によって違うものなので、アーチェリーの方がかっこいいと思う人も多少はいると思う。
競技人口:圧倒的に弓道 > アーチェリー
ぶっちゃけ弓道もアーチェリーもマイナーなので競技人口は少ない。
でもこの2つの競技人口を比べると現時点では圧倒的に
弓道 > アーチェリー
だ。
正確には
弓道人口14万人程度
アーチェリー人口1万人程度
人口が少ないということは施設が少ないということ。
学校でも部活、サークルがあるところは限られる。
そしてそれ以上に、学校を卒業して社会人になってからもやりたい、と思ったときにできる場所がない可能性がある。
弓道はまだ大体の地域に公営の弓道場があったりするが、社会人がアーチェリーをできる場所は絶望的に少ない。
というわけで近くに気軽に練習できる環境があるかどうか、という点では弓道に軍配が上がる。
ちなみに弓道もアーチェリーも男女比半々~女性比率がやや高い傾向にあるので男子はモテやすい傾向あり。
弓道とアーチェリーの両立は現実的ではない
ではどちらもやるのはどうか?
残念ながら弓道とアーチェリーの両立は難しいと言わざるをえない。
弓道とアーチェリーを両立させようとすると以下の2つが大きな問題として立ち塞がる。
- 引き癖の問題
- 費用面の問題
引き癖の問題
弓道とアーチェリーを両立させようと思ったときの最大の問題は引き癖だ。
- 弓道は耳の後ろまで引く
- アーチェリーは顎までしか引かない
- 弓道は肘を下げて引く
- アーチェリーは肘を上げて引く
- 弓道は弓の構造上普通に引くと右に飛んでしまうので右腕の捻りと左手の手の内の力で矢がまっすぐ飛ぶようにしている
- アーチェリーは弓の構造上普通に引けばまっすぐ飛ぶ
これ以外にもいろいろ違う。
だから弓道の引き方を覚えればアーチェリーがやりにくくなり、アーチェリーの引き方を覚えれば弓道がやりにくくなってしまう。
特に弓道は型(1mmも違わず正しく引くこと)が非常に大事でちょっとでも型が崩れると途端に中らなくなってしまう。
両方やることで両方下手くそになってしまう危険性が高い。
だからちょっと似ているからといって弓道とアーチェリーを両立できるなんて思わない方がいい。
もしどうしても両方やるとしてもまずはどちらかに絞り、弓道やりきってからアーチェリーをやるとかにした方が絶対いい。
費用面の問題
弓道とアーチェリーでは必要な道具がまったく違う。
それぞれに必要な道具と費用についてはこちらの記事で書いてる。
アーチェリーで10~30万
どちらもそれなりにかかるから、両方やろうとするとだいぶお金がかかってしまう。
経済面から見てもどっちかに絞った方がいい。
まとめ
- 射撃ゲームとしては弓道よりアーチェリーの方が圧倒的に楽しい
- やりがいは弓道もアーチェリーも同じくらいある
- かっこよさは主観になるけどたぶん多くの人は弓道の方がかっこいいと思ってる
- 競技人口はどちらも少ないけど比べると弓道の方が圧倒的に多く、身近なところに練習場を見つけやすいという意味では弓道の方がいい