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矢所下・掃き矢・失速の11の原因とケース別の改善方法

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矢所下・掃き矢・失速が多い場合、的中率はほぼゼロパーセントとなり、弓道に対するモチベーションが落ちやすい。

だから弓道において、矢所が下とか失速するのはかなり深刻な悩みだと思う。
 

しかし弓道をやっていればこのつらさは誰しも経験するものだ。

矢所が下だったり、安土に届かず掃き矢になるケースにはさまざまな原因がある。
 

よくあるアドバイスに「狙い上げれば?」というのがあるが、失速するタイプの場合は狙いを上げても失速してしまうので意味がない。

ここでは、矢所が下になる場合の考えられるすべての原因とその改善方法をまとめたので参考にしてほしい。

矢所下・掃き矢・失速するになる12個の原因


 

1. 引き分けが口割りまで降りてない

引き分けが口割りまで降りていない場合、狙いが下になる。
だから当然矢は下に飛ぶ。

口割りまでちゃんと降りているか確認しよう。
 

2. 緩み離れになっている

どんなにしっかり引けていても、離れで緩んでしまえば弓の力が矢にうまく伝わらず失速してしまう。

失速するタイプで矢所下場合、ほとんどは緩み離れが原因だ。
 

緩み離れにはいろいろな原因があるが、多いのは妻手の緩み離れで、その原因は妻手の力の入りすぎ。
 

弓は引くものではなく押すものと思って引くといい。

緩み離れの詳しい原因と直し方についてはこちらの記事を参照してほしい。

緩み離れの原因と直す方法
 

3. 会で止まっている

会は永遠の引き分けという言葉を聞いたことがあるだろうか

そう、会というのは単なる弓を引ききった形のことではない。
 

弓を引ききってもそのまま的方向に力を加え続けることだ。
 

これを伸び合いと呼ぶ。
 

糸をピンと張った状態をイメージするとわかりやすい。

弓もそれと同じで、会で的と的裏方向に引っ張り続けなければ緩んでしまう。

会で伸び続けて自然に離れることで、初めて矢に勢いがつくのだ。
 

ただし、肩が詰まってる人や妻手に力が入っている人は会での伸び合いがうまくできてないのでまずそこから直すべきだ。

そのことについて詳しくは、緩み離れの記事を参考にしてほしい。

緩み離れの原因と直す方法
 

4.弓手の押しが効いてない

弓手の押しが効いてないと、離れで矢の勢いが死んでしまい、失速して矢所下や掃き矢になってしまう。

試しに思いっきり弓手の力を抜いたまま引いてみればいい。
失速するから。
 

弓手は矢の勢いに密接に関係するため、引き分けでも押さなければいけないし、もちろん会でも押し続ける必要がある。
 

ただし、離れで緩んだら台無し。

押しすぎて弓手が棒のように突っ張ってる場合も、会で押せないので失速の原因となる。

この場合、肩に原因があるのであとで説明する肩の項目を見てほしい。
 

5. ベタ押しになっている

ベタ押しとは手のひら全体で弓を握って押すこと。

ベタ押しは弓の力を殺してしまうため、失速の原因になりやすい。
 

手の内は卵を握るようにやさしく握るが、握る、というよりは中指と親指で輪っかを作り、その中に弓を通して他の指を添えるイメージで作るといい。

そして親指と小指をなるべく近づけ、手のひらと弓が接する面積が小さくなるようにするといい。

一番やさしい弓道の手の内のコツ。動画解説付き!
 

6. 妻手のひねりが効いてない

妻手のひねりは弓の構造上、矢飛びに大きな影響を与える部分。

まったくひねらずに引いて離すと矢飛びが悪くなり矢所は下になりやすい。
 

妻手のひねりのコツは弓構えで円相をしっかり作り、そのまま肩は上げずにできるだけ遠くにすくい上げるようにして高く打ち起こし、両腕の下筋を張ったまま引き分けること。

詳しくはこちらの記事に書いてるので参考にしてほしい。

妻手のひねりの入れ方 どこをどのタイミングでどうひねるのか?
 

7. 上押しが強く下押しが弱い

上押し下押しとは?

弓手の手の内で弓の上の方を押してるのを上押し、下の方を押してるのを下押しと呼ぶ。
 

上押しが強い人を極端に言うと手首を下に折るようにして手の内の親指と中指あたりで弓を押している状態。

下押しが強い人を極端に言うと手首が上に折れて手の内の小指あたりで弓を押している状態。
 

で、上押しが強くて下押しが弱いと下方向に力が働くため、矢所は下になりやすい。

正しい手の内は上押しでも下押しでもなく、真ん中を押す中押し。
 

中押しを使った正しい手の内についてはこちらの記事を参考にしてほしい。

一番やさしい弓道の手の内のコツ
 

8. 両肩あるいは片方の肩が上がっている

両肩、あるいは片方の肩が上がっていたり、詰まっていたりする場合、会でうまく伸び合いができないため、矢に勢いが乗らずに失速する。
 

肩の上がりや詰まりは大方弓構え→打ち起こしに原因がある。

弓構えで円相を作ったら、できるだけ遠くにすくい上げるように打ち起こす。
 

このとき決して肩を上げないこと。

そして打ち起こし→大三のときも肩は動かさない。

大三→引き分けに行くタイミングで両肩を左右に開くようにして引き分ける。
 

そうすると弓の中に体を入れるように引き分けることができ、会でしっかり肩が入って楽に伸び合えるようになる。

それでも直らない人は誰かに後ろから肩を押さえておいてもえらうといい。
 

9. 離れで妻手を切り上げている

離れで妻手を切り上げる、いわゆる万歳離れになっていると、矢は下方向に力を受けるので矢所が下になりやすい。

普通、会で的方向に伸び合ったまま自然に離れれば、右腕はまっすぐ的裏方向に飛ぶ。

こうならず、妻手が離れで上下にブレるのは妻手に力が入っていて無理やり離すからだ。
 

弓は妻手で引くものではない。

妻手は弦に引っ張られるに任せるだけでいいのだ。

離れで妻手が上下にブレるのは離れを直すのではなく引き分けや会を直す必要がある。
 

妻手の自然な力の抜き方についてはこちらの記事で解説しているので参考にしてほしい。

自然に力を抜いた妻手の引き方
 

10. 離れで弓手を切り下げている

離れで弓手が切り下がる原因は、会において弓手が下方向に力を働かせているということ。

この原因は弓手の押し方。
 

弓手で弓を押そう押そうと思って手先(肘から先)力で押してしまうと、上押しが強くなりやすい。

だからそのまま会で伸び合って離すと離れで弓手が切り下がってしまう。
 

弓手の正しい押し方は上腕三頭筋、つまり腕の下の部分にある筋肉で押す、というより腕を伸ばすようにすること。

腕の下の部分の筋肉で押すのだから、物理的に考えて下押しがかかることはあっても、上押しがかかることは絶対にない。
 

肘から先の力はできるだけ抜いて、肩や肘を使って押すようにすれば下押しがかかるので、離れで弓手が切り下がることはなくなるはずだ。
 

11. 引きが小さい

引きが小さいと弓の力を存分に発揮できないため、矢が安土に届きにくい。

引きが小さくなる原因は2つ。

「打ち起こし」と「大三」だ。
 

打ち起こしは肩が上がらない範囲でできるだけ高くする。

大三では最初に少しだけ真横に引く。
 

その後弓の中に体を割り入れるように大きく引き分ける。

弓の中に体がしっかり収まると、会で楽に伸び合えるから自然な離れが出やすく矢飛びもよくなるだろう。
 

ただし、逆に引きすぎが原因で失速するケースもある。

妻手の力で無理やり引っ張るようにして引きすぎている場合、離れで緩んで失速するパターンになる。

妻手の引き方についてはこちらの記事で詳しく解説しているので参考にしてほしい。

妻手の引き方・ひねりの入れ方
 

12. 道具に原因がある

失速の原因は道具にある場合もある。

以下のことを確認するといい。

弓・矢・弦の正しい選び方についてはこちらの記事参照してほしい。

 

矢つがえの位置は握り皮の上端とやすりとうの境界から弦に垂線を下ろしたところ。

まぁ弓と矢が直角になっていればおおむね正しい。
 

これは弓力や矢の重さ、射手の技術によっても多少変わるが、高い場合は下に飛ぶ原因になるので少しだけ下げて試し打ちするのもありだ。
 

弓把は矢を取りかける部分の弓から弦までの距離のこと。

弓把は15cmが望ましい。
 

ここが狭すぎる場合、弓の力を最大限発揮できず、失速の原因になることがある。

弓把がおかしい場合は弦の長さを調整すればいい。

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まとめ

以上長くなったが、弓道で矢所が下になるあらゆる原因とそれぞれのケース別の改善策をまとめた。

矢所下や失速にはたくさんの原因が考えられるのでだいぶ長くなったが、ここに書いてあることで大方の原因はカバーできたと思う。
 

矢所下だと的中率がほぼゼロパーセントになるので、地味だけどかなり辛いものだ。

ここに書いてあることを参考に早く克服できることを祈る。

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