弓ってなんかかっこいい。
弓道部入ってみようかな。
いや、でも運動苦手だし。
いやいや運動神経がなくても弓道はできる。
今回は弓道に興味を持った人に向けて弓道の向き不向きをお伝えする。
弓道が向いてる人
まずは弓道が向いてる人の特徴を挙げる。
集中力がある
弓道でもっとも大事なのは集中力。
集中力さえあれば他は何もいらないと言ってもいいくらい大事。
と言っても今必ずしも集中力が必要というわけではなく、弓道やってるうちに集中力は自然とついてくると思う。
弓道を通して集中力を鍛えて他に活かすのもありだ。
ちなみに私は人生で弓を引いてるときほど集中している時間はないと感じている。
忍耐力がある
弓道で集中力の次に大事なのは忍耐力だと思う。
弓道というのは練習がものすごく地味だ。
ただひたすら的に向かって弓を引く。
部活が週5だろうが週6だろうが2時間だろうが5時間だろうがやることは同じ。
ひたすら引く。引く。引く。
普通の人なら飽きてしまうのも無理はない。
ではどうすれば飽きないかというと、向上心を持ち、常によりいい射を求めて引いてれば飽きない。
これで順調に成長していけばいいのだが、残念ながらそう上手くはいかないもの。
ときにはスランプに陥ってまったく中らなくなってしまう時期もあると思う。
そういうときの練習は地獄みたいなものだ。
毎日100本200本弓を引いて中りはその中の数本だけ。
こんな状態になっても自分の何が悪いのか分析し、改善するために努力を続けなければならない。
これはある程度忍耐力がないとできないことだと思う。
一人作業が好き
弓道の練習は基本的に一人で黙々とやるものだ。
もちろん先輩や先生が教えてくれることはある。
でも練習の90%以上は一人でやるものだと言っていい。
一人で試行錯誤しまくるのだ。
「今の射はここが悪かったから外れたんだな」
「今の射はここがよかったから中ったんだな」
「今の射は中ったけどここが悪かったから下にずれたのかな」
などと考えながらひたすら一人で弓を引く。
これは普段から一人作業が好きな人であれば抵抗なく取り組めることだと思う。
でも一人でいることが嫌いで仲間とワイワイやるのが好きな人にとってはちょっと合わないかもしれない。
まぁ部活の場合は雰囲気にもよるが部員同士仲良くなりやすいと思うのでそういう人でも楽しめるだろう。
謙虚
弓道の世界では中りを求めてはいけないとされている。
これはなぜかというと、中りを求めると変な癖がつき、射形が崩れやすいからだ。
弓道の弓が上下非対称な中りにくい構造になってる以上、正しく弓を引かなければ安定して中らない。
ちょっとコツをつかんだからといって基本から外れた引き方をすれば一時的には的中率が上がっても長続きしない。
弓道では、その場の的中よりもひたすら正しい射を求めて向上していくことが大事だ。
そのためには中ったことに一喜一憂してるようではダメ。
こんな感じで試行錯誤していくことで弓道は上達する。
謙虚な考え方をする人は自分の技術に奢らず、どんどん試行錯誤していくから上達が早い。
また謙虚な人は人のアドバイスを素直に聞き入れられる、という意味でも上達しやすい。
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弓道が向いてない人
では次に弓道が向いてない人の特徴を挙げる。
短気
弓道にもっと向いてない人は短気な人だと思う。
短気な人は弓道のあらゆる場面で損だ。
まず致命的なことに練習に集中するのが難しい。
弓道の非常に地味な練習を短気な人が毎日できるとは考えにくい。
実際私の友達に短気なやつがいたが、彼は一応部には来ていたがはほとんど練習してなかった。
じゃあ何をしていたかというとたいてい真面目に練習してる人にちょっかいかけていた。
そしてさらにやっかいなことに、短気な人は弓道の悪い癖である「早気」になりやすい。
弓を引ききった状態を「会」と呼ぶ。
弓道では射を安定させるために会は10秒前後保つべきとされる。
早気とは、この会を保ちたくても保てなくなる症状のことだ。
早気になると自分の意思とは無関係に引いてすぐ離してしまう。
早気の人は症状の重さによるが、会が2,3秒しか保てない人、1秒しか保てない人、ひどい人になると弓を口割りまで引ききる前に離してしまう人等いる。
早気になる人も最初は5秒くらい会を持っていたと思う。
それが短気なためにだんだんと短くなり、気づいたら3秒に、3秒に慣れて引いてたらいつのまにか1,2秒に、とどんどん短くなってしまう。
そうして早気になる。
そしてやっかいなことに、早気は一度なると直すのが非常に難しい。
弓道の早気は不治の病と呼ばれるくらいの難病だ。
精神的な早気の原因と超具体的な克服方法 コツは脳を書き換えること
だから早気になりやすい短気な人は弓道の世界ではかなり不利と言わざるを得ない。
逆に弓を早く引かなきゃいけない戦場では短気の方がいいかもしれないけど(笑)
飽きっぽい
早気とともに弓道に向かないのが飽きっぽい人だ。
なぜかというと弓道の練習が非常に単調だから。
弓道は他のスポーツと比べてゲーム性に乏しく、ただひたすら弓を引くだけ。
飽きっぽい人が弓道の地味な練習を毎日続けるのは不可能に近いことだと思う。
実は私も中学時代卓球部で高校で弓道部に入ったため、その地味さはひしひしと感じた。
卓球の場合、ボールのスピードや回転、相手のボールに対する反応など、非常に複雑だし常に変化がある。
それに対して弓道は毎日同じことの繰り返し。
ただ弓道上達する人は頭の中でこうした方がいいとか、ああした方がいいとか考えて試行錯誤してる。
この試行錯誤が面白ければまだハマれる要素はあるが、ここに面白みを感じなければすぎに飽きてしまうだろう。
実際調子が悪いときの試行錯誤はゴールのない迷路に迷い込んでるようなものでとても面白いものではない。
それと弓道は的前に立つまでが長い。
弓は初心者がいきなり引けるものではないため、最初の3ヶ月前後は的前には立たずに素引きやゴム弓、巻き藁をやる。
飽きっぽい性格の人の多くはこの最初の基礎練習の期間にすら耐えられずに辞めていく。
仮にここを踏ん張って的前に行けたとしても的前に立ってから中るようになるまでの期間の方が数倍つらい。
だから飽きっぽい人が弓道をやると高確率で挫折すると思う。
プライドが高い
プライドが高い人の欠点は人の意見を素直に聞けないことだ。
弓道は個人競技なので比較的プライド高くても平気そうなイメージがあるだろう。
それが案外弱点になる。
なぜかというと弓を引いてるときの自分の姿は自分で見れない。
だから感覚でやるしかない。
感覚と実際の動きが100%合致する人はまずいない。
人によって大小はあれ、誰でもいくらかはズレるものだ。
だから誰かに見てもらわなければ気づけないことがたくさんある。
したがって弓道を上達する上で人のアドバイスを素直に聞けるかどうかは結構重要な要素となる。
といっても人によって言うことは違かったりするし、的外れなアドバイスもあるから、すべてのアドバイスを受け入れる必要はない。
でもアドバイスされたらとりあえずは聞くようにした方がいい。
でないと誰もあなたにアドバイスしなくなってしまうから。
これができないくらいプライドが高いと上達の妨げになってしまうと思う。
猿腕
猿腕というのは生まれつき腕に歪みがある人のことで日本人には一定数存在する。実は私も猿腕だ。
猿腕かどうかのチェックは簡単。
両腕を手のひらを上に向けてまっすぐ伸ばし、肘から先の小指側同士をくっつける。
このとき普通はぴったりくっつかずに隙間ができる。
が、ぴったりくっついてしまった人は猿腕だ。
猿腕は腕がまっすぐではない分力を均等に伝えにくく、弓道で不利と言われている。(有利という説もあるが)
まぁコツをつかめばそこまで欠点にはならない。
だが普通の人と同じように引いても上手くいかないため、猿腕の人は猿腕の人なりの弓の引き方を身に付ける必要がある。
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弓道はみんな初心者からスタート
たいていのスポーツは運動神経で最初からある程度差がつくものだ。
サッカーとか野球とか。
でも弓道は違う。
弓道が最初からできる人はいない。
みんな最初は弓なんて引けず、まずまともに弓が引けるようになるまでひたすら素引きやゴム弓をやる。
基礎練習が終わると的前に立って弓を引けるけどここですぐ中るようになる人となかなか中るようにならない人は確かにいる。
でもここで中ればいいってもんでもない。
初心者のうちから中ると癖がつきやすいから。
だから最初から中った人よりなかなか中らなかった人の方が上達が早かったりする。
また筋力については確かに力がある人の方が強い弓が引ける。
強い弓の方が弱い弓より矢が直線的に勢いよく飛ぶため、的中率が上がりやすい。
でも弓道で使う筋力は普段まったく使わない筋肉なのでこれも最初から強い弓が引ける人はいない。
そのため、女子より男子の方が筋肉がつきやすい分強い弓が引ける人が多くなる傾向はあるが、そこまで大きな差はない。
それに上達すればわかるけど弓は力で引くものではない。(力でも引けるけど)
弓は骨で引くもの。
弓を引いてるときに力こぶができてるうちは初心者。
上級者は強い弓を引いても力こぶはできない。
だから弓道は筋力や体格であまり差がつかない。
みんなが平等に強くなれる可能性のある競技だ。
つまり筋力ないとか運動神経悪いとかは言い訳にならない。
努力次第で強くなれるから素直な気持ちで取り組めばいい。